「imagin」が静かに流れた。語りの二人にスポットライトが当たった。「想像してごらん。すべての人々が今日のために生きていると。想像してごらん。すべての人々が平和な暮らしを送っていると。想像してごらん。すべての人々が世界をわかちあっていると。…人間はどんなふうに生きるべきなのだろう。私たちと一緒に考えてください。」と実行委員長の山口君の言葉で発表会が始まりました。
南アルプスの麓、山梨県中巨摩郡にある甲西町立甲西中学校の3年生(184人)は、総合的な学習の時間の取り組みとして、1年のときから平和学習を進めてきました。卒業を前に、これまでの集大成として自分たちの取り組みを一人でも多くの方々に伝え、平和について一緒に考えていただけたらと願い、2月26日に発表会が行われました。

選抜合唱隊が「死んだ男の残したものは」を熱唱、詩「紙切れのように」の朗読と発表会は進んでいきました。数人の語り手が順に、「平和な世界とはいったい何なのだろう。」「平和な日本で暮らしている私たちは、どこかで他人事と考えていないか?」「今もまた、戦争が起ころうとしている。」「自分さえ、自分たちさえ良ければいいと思っていないか?」「その自分勝手が環境問題を引き起こしていないか?」と、スライドと語りで『理不尽な死と命の重さについて』を自分たちの言葉で語っていく。「世界に目を向けても……いったい、いつまで誰かのせいで誰かが苦しむ、そんな事を繰り返していくのでしょう。……生きるということは、すべての命に平等にあるべきことだと思いませんか?」と会場に集まった人々に疑問を投げかけ、「生きる」の合唱が始まる。力強い合唱と静かな語りは、彼らが学習し、議論し、考え、学んできたことを強く訴えかけるものでした。それは、本当に彼ら自身が体験、学習し、「平和とは?」「自分に何ができるのか?」と繰り返し問い返された末の言葉だからこそ会場の人々の心にも響いてきたのだと思います。
また、スライドと語りで『私たちのメッセージ』が語られ、詩「平和の種」が朗読されました。「人間の身勝手さが引き起こしたことは、結局人間自身にふり返ってきます。しかし、同じあやまちを繰り返さないということを、私たちは過去から学ぶことができます…」

こんなにすばらしい学習に取り組んできた彼らは、最後にキッズ・ゲルニカに参加し、3枚の作品を制作しました。これらの作品には彼らの3つの願いが込められています。

戦争や人間の身勝手さなどの醜いものを捨て、未来に向かって希望というエネルギーに変えていこうという願い。

幸せも不幸も全て人間がつくる。無関心でいるのではなく、この世界を、人間をしっかりと見つめていこう。知っていこうという願い。

過去の過ちから学び、行動に移し、平和な未来の実現を願う。「この絵の左側にある荒れた大地に、一つの地雷の上に芽吹いた樹を描きました。荒れた大地と地雷は人間のおろかさの象徴です。そして地雷の上に芽吹いたこの樹は、私たちの平和への願いであり、私たち自身でもあります。この芽が枯れることなく、地雷を粉々にし、大きく大きく地球を覆い尽くすように育てていく。それが私たち一人一人がこれからすべきことなのです。」
発表会は、男女二名による独唱「世界に一つだけの花」、全員合唱の「聞こえる」と続き、「I have something to do. 私にはできることがある。 You have something to do, too. あなたにもできることがある。平和の種を世界中の人々へ。それが私たちの願い!!!」と力強いメッセージとともに終了しました。
全てが生徒たちの手作りの発表会でした。そして、とても心のこもった熱いメッセージと平和の種を、見る者すべてに植え付けた、そんな感じがしました。甲西中学3年生、ありがとう。君たちの心に芽生えた平和の芽を、大切に育ててください。大木に育て地球を覆い尽くす平和の森林を、仲間と一緒に築いてください。みんなの発表を見て、聞いて、私はキッズ・ゲルニカに関わってきて本当に良かったと思いました。みなさんのような若者に出会うためにやってきたのだと、つくづく思いました。私もみんなに負けないように、自分にできることをこれからも続けていこうと改めて思いました。
最後になりましたが、キッズ・ゲルニカと、このすばらしい若者たちを出会わせてくださり、彼らをやさしく見守ってくださった今村校長、小田切先生、塩谷先生、その他多くの先生、ご父兄の皆様、ありがとうございました。平和の種が甲西町から、日本中、世界中に育っていくこと、これからも一緒に見守っていきましょう。
What can I do for world peace? I have something to do.
キッズゲルニカ国際委員会事務局 星野圭子

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