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新潟, 日本
2005

新潟市立中野小屋中学校


 3年生の美術の時間の卒業制作として「キッズ・ゲルニカ」に取り組みました。
 ピカソの「ゲルニカ」を鑑賞し、ピカソがゲルニカを描いた時に、どのようなことを考えて制作したか想いを巡らせました。
 その後、音楽の授業とタイアップし、音楽では平和を祈念した合唱曲『とべよ鳩よ』の練習に入り、美術ではその合唱曲のイメージで制作を行うことにしました。原画は歌詞に合った背景にクラス39名全員の鳩を飛ばすというイメージで進めました。
 制作を進めるにあたっては、4名のゲルニカ委員を選出し、その人たちが制作から発表会までの推進役を果たしました。

  〔平和について考える〕 

 ピカソのゲルニカ鑑賞後、太平洋戦争当時のビデオを鑑賞、ヒロシマ・ナガサキの原爆の朗読劇への参加し、平和について考えました。また、毎日新聞社の記者の方が出張授業にきてくださり、沖縄の米軍基地問題についてお話をしてくださいました。国語や社会科、英語でも戦争と平和についての題材を学習し、平和について考えを深めました。

 子どもたちは平和について次のような考えを述べています。

*「戦争は悲しい」としか思えませんでした。先に読んだ本の内容に重ねてみると、すごく今の日本に危機感を覚えました。自分に何かできることがあるなら、私は自分の国をまた戦争の渦に巻き込ませたくないので、何かしたいです。

*国のために命を捨てるなんて絶対にイヤです。自分の命は国のモノではなくて、自分のモノです。大人が自分の子どもに「国のために死ね」って言うなんて許せないです。 戦争は2度と起こしてはいけないと思いました。

*私たちが知らないところで、戦争への道を歩んでしまうのだと実感しました。目先のことばかりでなく、周囲の流れにも目を向けないと、気がついた時には、とんでもない場所に流れないようにしたいです。

*戦争では、子どもの心や考えなどが支配され、自由は当然なく、とてもむごいものだと思った。人が人に思えなかった。決して、もう2度とやってはならず、1人1人が意識しなければならない。

*大人が勝手にはじめた戦争のせいで、いろんな子どもたちが死んでいました。今の日本は、とても幸せだと思います。本当に戦争のせいで死んでしまった人はかわいそうだと思いました。

*戦争は、長い月日が経っても、絶対に忘れることのできない悲惨なことだ。60年近く経っても、まだ、人々を苦しませ、悲しませる戦争は絶対にいけないことで、繰り返してはいけない。

*昔の戦争の時の人々は、考えが国に洗脳されていて、とてもかわいそうでした。そして、戦争に突き進んでいきました。これからは僕たちがそういうことにならないよう、しっかりとした考えをもつことが大切だと思いました。

*とにかく、戦争はしちゃいけないことだと思う。戦争したら、自分も危ないし、世界中の人が傷ついてしまうから・・・。イラク戦争も早く終わってほしい。

*大人が都合よく子どもを使っていたように思う。子どもは勉強もろくにできず働いて、兵隊としてかり出されている。死んでもいい、死ぬのが怖くなかったという人たち。だけど、お偉いさんたちは、自分たちは安全なところで指示を出していたんだろうと思う。醜い。今のこの状態が奇跡的で幸せなことだと思う。

*兄が死んだことを知って悲しまなかったり、平気で人殺しがしたいなどと考えていたのは、政府が国民に洗脳のようなことをしていたような気がする。これから政府がそのようなことをしないように行動を起こして訴えたい。

*当時の自分の周りの人が戦争に行き、戦死しても泣かずに、いい事だと言い、自分たちもいつか兵隊になって国のために死のうと死んでいった事は、すごく悲惨で、洗脳に近いものがあると思う。学校では授業を行わず、食料を作ったりしていた。それだけならまだしも、兵器を作らせていて、作った人は、その時は誇りに思っていても、間接的に人を殺していたのだから、今は後悔していると思う。

*戦争は長い月日が経っても絶対に忘れることのできない悲惨なことだ。60年近く経っているのに、まだ人々を苦しませ、悲しませる戦争は絶対にいけないことで、繰り返してはいけない。

*子どもたちの感情が本当に力でおさえられていると思った。今もしも戦争が起こって、昔の経験があるから、ここまではいかないんだろうと思った。だけど、憲法9条を改正したら、昔のことを繰り返してしまうかもしれないと思った。

*もう、二度と日本が戦争に参加するようなことをしてほしくありません。だから、この戦争の悲惨さを語り継いでいくことは、大切だと思いました。

*武力ではなく、せいぜい議論でやっとけばいい。国と国の関係を考えるべきであり、武力で解決をしなければならないのかも考えるべきだと思う。

*戦争によって昔の悲劇がまた繰り返されると思うと、気が重くなります。その悲劇を繰り返さないためにも、私たち子どもがしっかりしなければと思いました。

*戦争のことをもっとたくさんの人に伝えてほしいと思います。そして、二度と戦争が世界中でなくなってほしいです。

*戦争は、家族や自由を奪っていき、死者をたくさん出すだけなのに、何のために戦争をやるんだろうと思った。今の日本は、戦争もなくて平和だけど、59年前のことを忘れずに、次の世代に語り継いでいくことが大切だと思った。

*人は育てられ方次第で兵器にも何でもなれる。それなら、正しい教育は大事だ。子ども心は、それほどに白い。

*ビデオを見ていて、もし、自分が家族を失ったらどうしようかと思いました。子どもたちが生きることや命の大切さを忘れて敵を倒す為の武器を作っているのを見たら、悲しくなりました。たった一つの命を簡単に捨てようと思うなんて信じられません。 戦争は、大切な人を、愛する人を奪います。戦争では、何も解決しません。たくさんの人を不幸にします。

   

〔制作風景〕
      
 最初にクラス全員で、鳩を飛ばす背景を考えました。「七つの海を超えて〜」、「暁の空に〜」など、39種類の背景から、みんなで話し合い、最終的に一つに絞り込みました。背景を描いた後に、それぞれの決まった場所に、自分の思いを込めながら、大きく羽ばたく鳩を描きました。
 色を塗り始めると、絵の具が乾くまで身動きがとれず、苦労していましたが、順調に制作が進みました。       
〔発表会と講演会〕
      

 最後の授業で、新潟県原爆被害者の会の山内悦子様をお招きし、発表会を行いました。

 3年生全員が、作品の横に並び、合唱曲「とべよ鳩よ」を合唱しました。

この発表会に合わせて、1,2年生は、森山良子さんの「さとうきび畑」のイメージで絵を描き、発表しました。

 1,2年生は、3年生の合唱を聴きながら、作品のイメージを深めていました。       
 
 発表会後半に、新潟県原爆被害者の会事務局の山内悦子さんから、「17歳の被爆体験」という演題で、ご自身が体験されたお話を聞かせていただきました。会場のまわりには、山内さんからお借りした原爆パネルを掲示しました。
お話を伺いながら、涙を流す生徒も少なくありませんでした。
 作品の前でお話を伺うことで、自分たちが取り組んできたことの意味や絵に対する見方が変わったようです。そして、平和についてあらためて考えさせられたようです。
 お話をされた山内さんは、この「キッズ・ゲルニカ」の取り組みに感動された様子で、「本当に、平和についてよく勉強してくれてありがとう」とおっしゃっていました。

 会場には英語の時間に書いた、39名全員の『平和へのメッセージ』も掲示しました。

 発表会当日は、地元の新聞社『新潟日報』、『毎日新聞』、BSN新潟テレビ放送の記者の方が取材に来られました。その時の様子はその日の夕方のニュースで放送されたり、朝刊に紹介でされました。

参加者全員で記念撮影


〔協力してくれた人たち〕 敬称略

新潟市立中野小屋中学校 3年生 生徒39名

青池 遙 (HARUKA AOIKE)        青柳麻衣子(MAIKO AOYAGI)
安達慶司朗(KEIJIRO ADACHI)      阿部 洋佑(YOSUKE ABE)
内山 貴絵(YAKAE UCHIYAMA)      大嶋 大喜 (DAIKI OSHIMA)
太田 有紀 (YUKI OTA)           大谷 一輝 (KAZUKI OTANI)
大谷 優太(UTA OTANI)          岡澤 愛 (AI OKAZAWA)
岡澤 治 (OSAMU OKAZAWA)      岡畑 千裕 (CHIHIRO OKAHATA)
加藤 舞 (MAI KATO)           柄沢 里江(RIE KARASAWA)
小池 千尋(CHIHIRO KOIKE)       小池 美穂(MIHO KOIKE)
小竹 賢一(KENICHI KOTAKE)      小竹 俊也 (YOSHIYA KOTAKE)
小林 匠  (TAKUMI KOBAYASHI)     小林 美穂 (MIHO KOBAYASHI)
五味澤慶臣 (YOSHIOMI GOMISAWA   斉藤 貴裕 (TAKAHIRO SAITO)
斉藤 宏樹 (HIROKI SAITO)         先川 卓臣 (TAKUMI SAKIKAWA)
椎谷あゆみ (AYUMI SHIYA)         白井 渉 (WATARU SHIRAI)
鈴木 真澄 (MASUMI SUZUKI)       鈴木 美夏 (MIKA SUZUKI)
多賀 佑貴 (YUKI TAGA)           田中 初明 (HATSUAKI TANAKA)
冨澤 圭介 (KEISUKE TOMISAWA)    野本 勝徳 (MASANORI NOMOTO)
平原 航介 (KOSUKE HIRAHARA)     藤田 襟佳 (ERIKA FUJITA)
細山 美穂 (MIHO HOSOYAMA)      牧 健介  (KENSUKE MAKI)
米澤麻璃菜 (MARINA YONEZAWA)    渡邊 尚一 (SHOICHI WATANABE)
渡邊陵聖 (TAKATOSHI WATANABE)

(職員)

美術科 甲田小知代(SACHIYO KOUDA)    音楽科 佐藤 瑠美(RUMI SATO)
社会科・国語科 間宮 茂(SHIGERU MAMIYA) 
英語科 山田 京子(KYOKO YAMADA)  青木 邦幸(KUNIYUKI AOKI)

(取材)

新潟日報社 毎日新聞社 BSN新潟放送